樹上性ヘビと聞いてどういうイメージがありますでしょうか?
飼育が難しい、餌を食べない、警戒心が強い、凶暴、と言ったイメージがあるかもしれません。そういった種類が多のは確かではあると思いますが、意外と飼いやすい種類も結構います。
私は、爬虫類・両生類が好きで、その中でヘビ、特に樹上性ヘビが好きで数匹ではありますが飼育しております。
飼育経験のある樹上性ヘビの種類
- アマゾンツリーボア×3匹
- ジャンセンラットスネーク×2匹
- ホソツラナメラ×2匹
樹の上で生活するヘビです。種類によってはほとんど樹の上から動かなかったり、頻繁に地面に降りるものもいます。流通している殆どがWC(ワイルド個体)で神経質なため、噛みついてくるものが多く、餌をなかなか食べてくれない個体も多いです。
WC(Wild Caught)…現地で採集された野生の個体。
- メリット…体格が立派に育っていたり、体色が美しい傾向があります。
- デメリット…ほぼ100%寄生虫が体内いて、また気性が荒いのがほとんどです。
デメリットだらけですが、それを忘れさせてくれる程のカッコよさ、美しさ、楽しさが詰まっております。
↑アマゾンツリーボア
実際、樹上性ヘビ代表のグリーンパイソンやエメラルドツリーボアはほとんどの爬虫類ショップで取り扱われておりとても人気な種類です。この2種はもちろん上記の理由から飼育難易度が高いと言われております。それでも人気なのはただひたすらカッコイイからです。
アマゾンツリーボア
ジャンセンラットスネーク
この2種も気性は荒いのですが、ショップでも状態が良く、餌食いも良い固体が多いです。
上記の通り私も飼育しましたが、皆美しく餌食いが悪い固体は一匹もいなかったです。
アマゾンツリーボアの魅力
カラーバリエーションが豊富!
アマゾンツリーボアには沢山のカラーバリエーションがあり、その中でも異質なのが遺伝性がなくランダムだと言うことです。
本来、(例)親♂(赤)×親♀(赤)→子(赤) となるのがほとんどの爬虫類ですが、
アマゾンツリーボアの場合、
- 親♂(赤)×親♀(赤)→子(黒)
- 親♂(黒)×親♀(黄)→子(赤)…
いろんなパターンが成り立ち、遺伝の法則性が未だ判明しておりません。そのため野生にも関わらず色んな柄・カラーバリエーションが存在します。
自分だけの最高のカラーリングを探すも良し、繁殖に挑戦するのも一興かと思います。
↑アマゾンツリーボア
餌食い良し
冷凍マウスを食べてくれる個体が多いですが、ヒヨコやウズラの方が反応が良いことが多いですが。もしマウスを食べない場合は試してみてください。
横60cmのケージでok
最大全長2m程になり実際手に持つとなかなかのインパクトがありますが、身体が細く、樹の上で丸まってることが多いので高さを確保すればそこまで大きなケージを必要としません。ワンルームでも容易に飼育できるかと思います。
多頭飼育が可能?
ヘビの多頭飼育はあまりオススメはできませんが、私は一時期90cmケージに成蛇のアマゾンツリーボアを3匹いれて飼育していましたが特に問題はありませんでした。有名爬虫類ショップの店員さんも「アマツリは3匹くらい一緒にいれても大丈夫だよ」と仰っており、アマゾンツリーボアに限っては多頭飼育は問題ないのかもしれません。
ただ餌やり時が面倒だったり、万が一のことを考えるとやはりオススメはできないので自己責任でお願いしたいです。
ジャンセンラットスネークの魅力
独特な色彩
英名がblack tailed rat snakeと言い、幼蛇時は緑褐色で成長に伴い色彩は変化し、成蛇は胴部前半はアイボリーないしベージュ、後半部は黒色となります。このアイボリー→黒にかけてのグラデーションが独特でドット柄のようになっているので、ウロコの一枚一枚の主張が激しく美しい。この黒の面積にも個体差がありサラヤル島の個体は全身が黒くなります。
↑ジャンセンラットスネーク
威嚇行動が素敵
ナミヘビ科の多くが威嚇時に喉を縦に膨らますのですが、中でもジャンセンラットスネークは太さがあるため、かなりのインパクトがあります。また上記のカラーリンクも相まってウロコが誇張され、より一層格好良く見えます。
身体が丈夫
極稀に繁殖個体もいますが、WCがほとんどです。ですが身体が丈夫で飼育環境にも慣れやすく、冷凍マウスにすぐ餌付く個体が多いです。
良くも悪くもレア
大きい爬虫類ショップでも販売されてるのは稀で、イベントで1,2匹見るかなぁ?というくらいの少しマイナーな種類です。ですので爬虫類好きの中でもなかなか被らないというのは面白いかと思います笑
樹上性ヘビ飼育の注意点
上記2種はそこまでうるさくないですが、樹上性ヘビは温度、湿度、通気性がかなり重要です。
温度
28度前後です。一部に暖突を用意し温度勾配をつけ、ケージ内が26〜30度くらいになると良いです。
湿度
60%を下回らないよう、床材としてピートモスとヤシガラを深めに敷き、大きめの水入れを用意し、毎日多めに霧吹きをしてあげると良いです。
通気性
衣装ケースなどを使わず、空気孔がしっかり用意された高さのある爬虫類専用ケージで飼育をすると大丈夫です。
飼育が難しく、デメリットの多いイメージのある樹上性ヘビですが、今回はその中でも飼育しやすいアマゾンツリーボア、ジャンセンラットスネークを紹介しました。木に登りそこから餌にめがけて飛んでくる姿は見応えがあります。レイアウトも楽しく、飼育環境を整えるとおのずと小さな森林のようになりお部屋を彩ってくれます。
ベタ慣れヘビが物足りなくなってしまった方、野性味溢れたアグレッシブなヘビをご所望の方、だけど飼育が難しいのは勘弁という方に超オススメです!
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