ジャンセンラットスネークについて
ジャンセンラットスネークは、幼蛇時は薄い緑色ですが、成蛇になると体前半はアイボリー、後半から黒色といった特徴的なカラーリングをした樹上棲のナミヘビです。
流通しているほとんどがWC(野外採取)個体でCB(繁殖)個体はかなりレアです。
WC個体は体格が大きく、色艶が良い個体が多い反面、状態が悪い場合も多くすぐに死んでしまう個体もいます。
ですがジャンセンラットスネークは比較的丈夫でWC個体でもピンセットから餌を食べてくれることが多いので飼育がしやすいです。
そのためジャンセンラットスネークはWC個体特有のデメリットは少なく、メリットのみを堪能できる最高のヘビです。
この記事では、以下の内容をまとめております。
(この記事には広告を含みます。)
- ジャンセンラットスネークの基礎情報
- ジャンセンラットスネークの飼育方法
ジャンセンラットスネークの基礎情報
生息地
インドネシア(スラウェシ島、スラヤール島、ブトゥン島、カバエナ島など )
熱帯性気候で、平均気温は25〜28度。
1年通して暑い国で生息しています。
形態
[体長] 1.6〜2.0m
性質
神経質で動きも早く噛み付いてくる個体が多いですが、好戦的ということはなく逃げていくことがほとんどです。
また威嚇時に喉を膨らまします。
ナミヘビにはこの様な威嚇方法をとる種は多くいるが、ジャンセンラットスネークは体が縦長で太いため威嚇時の喉がより際立ち迫力があります。
寿命
ワイルド個体(野生個体)がほとんどなためはっきりした情報が少ないですが、12年以上と言われております。
毒性
毒性は弱く、特別な許可がなくても飼育可能ですが、噛まれた際はすぐに除菌しましょう。
主なモルフ(模様、カラーバリエーション)
- ノーマル…体前半が象牙色、黄土色、銀色
- ザンティック…体前半が薄い黄色
- 黒化個体…サラヤル島の個体で全身が真っ黒
- リューシスティック…白化個体、かなりレア
飼育環境
必要なもの
ケージ
[推奨]横幅90cm奥行45cm高さ60cm
[最低限]横幅60cm奥行45cm高さ45cm
昼行性で昼間はやや活発に動きます。
太さもあってかなり大きくなる上、樹上棲のためなるべく大きなケージを用意してあげましょう。
床材
ハイドロボール+ピートモス+ヤシガラ
ハイドロボールは通気性に優れており、
ピートモスとヤシガラは保水性に優れています。
またハイドロボールは一粒が重く、ピートモスは粒子が細かいので、そう簡単にはケージの底が露出しないので底の汚れ防止にもなります。
トビムシ
トビムシは爬虫類の糞尿を分解してくれるのでケージ内を清潔に保つのに役立ってくれます。
これにより清掃も大きなフンを取り除くだけでよくなるのでメンテナンスがかなり楽になります。
※トビムシはヤシガラ等から自然に湧くこともあります。ダニと間違える方も多いようですが、駆除する必要はありません。
水入れ
飲み水用兼水浴び用です。
多湿を好み、水に浸かることも多いので全身が浸かれるサイズの水入れがいいです。
成蛇になると爬虫類専用の水入れだとサイズが足りないので、収納ボックスなどを使うのがお勧めです。
流木
樹上棲でよく木に登るので必須です。
木の上でリラックス体勢をとることが多いのでなるべく太めの流木を用意しましょう。
流木を使ったレイアウトを楽しめるのも樹上棲ヘビの魅力の1つです。
ヒーター
- ケージ全体が26〜28度
- ホットスポット(ヒーター直下)が30〜32度
が適温です。
樹上棲のため、ケージ内の天上に設置するタイプのヒーターを使いましょう。
体を温められるように、ヒーター直下に流木等で土台を用意しましょう。
温度、湿度計
温度と湿度は爬虫類を飼育する上でとても重要ですので、感覚に頼らず必ずケージ内に温度、湿度計を設置しましょう。
紫外線ライト
必須ではないですが、昼行性ヘビなので紫外線ライトがあるとより状態が良くなると言われています。
餌食いが良くない時などに使うと良いかもしれません。
またバスキングライト兼用のものだとヒーターの代わりも担えます。
※使用の際は温度の上がりすぎや火傷に注意しましょう。
給餌について
餌
餌は冷凍の
- マウス
- ヒナウズラ
- ヒヨコ
などです。
神経質な種類ですが、他の樹上棲ヘビやWC個体に比べると餌食いは良い方です。
ピンセットから食べない場合は、お皿の上に置いて与えてあげると食べる場合があります。
餌の頻度(目安)
- 幼体…3~4日に1匹
- 成蛇…1週間に1匹
餌のサイズはヘビの一番太い胴の幅くらいが目安です。
※餌の与えすぎは肥満の原因になるため注意しましょう。
脱皮前
日々のメンテナンス
水換え
水入れを使う場合は最低でも3日に1回の頻度で交換しましょう。
水道水な方が浄水より腐りにくいので、水道水をお勧めします。
温度管理
- ケージ全体…26〜28度
- ホットスポット…30〜32度
ホットスポットはヒーターで作り、
夏の暑い時期はなるべく風通しの良い場所で育てるか、エアコンで管理しましょう。
湿度管理
適正湿度は60%前後です。
- なるべく毎日霧吹きをする。
- 大きな水入れを用意する。
- 加湿器を設置する。
などをして湿度を保ちましょう。
清掃
目立った汚れがあればその都度取り除きましょう。
トビムシを入れない場合はなるべく綺麗に保ち、床材の交換も月1くらいで行うのが良いです。
トビムシを入れてる場合は1年中交換しなくても大丈夫だと言われております。
販売価格、販売場所
価格(目安)
- WC個体(ノーマル)…5〜7万円
- CB個体(ノーマル)…8〜10万円
- ザンティック…8〜10万円
- 黒化個体…15〜20万円
- リューシスティック…流通が少なく不明
場所
爬虫類専門店だと稀に販売しています。
爬虫類イベントだと1,2匹程見つかることがあります。
まとめ
以上が”ジャンセンラットスネークについて”です。
閲覧いただきありがとうございました。
クセの多く飼育が難しいとされるWC個体ですが、とても美しい個体が多いのも事実です。
また樹上棲ヘビも同じく魅力的ではありますが、これも飼育が難しいヘビが多いと言われています。
ですが、ジャンセンラットスネークは流通するほとんどがWC個体であり、また樹上棲ヘビでありながら体が丈夫で飼育がしやすいので、WC個体と樹上棲ヘビのデメリットを感じずに、メリットのみを楽しむことができる最高のヘビです。
ややマイナーなヘビではありますが、実際に見てみると独特なフォルム、カラーリングをしておりとても魅力的なヘビです。
是非爬虫類イベント等で探してみてください!
コメント