ヘビの飼育問題でよくあるのが脱皮不全です。
脱皮不全とは脱皮が完了せず、皮が脱ぎきれないまま体に付着した状態になることです。
ヘビには凶暴な種もいますので脱皮不全で残ってしまった皮を剥がす時は大変で私も飼っていたアマゾンツリーボアが脱皮不全になった際は咬まれながらでの作業で大変でした。
ですが、飼育環境を変えることでこのアマゾンツリーボアも毎回キレイに脱皮を成功させております。
今回は脱皮不全にならないための飼育方法をお伝えしたいと思います。
- 脱皮不全について
- ストレスを軽くする環境作り
- 湿度を保つ飼育方法
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脱皮前のジャンセンラットスネーク(脱皮前は目が白濁する)
脱皮不全について
脱皮とは?
脱皮とは古くなった皮や鱗を脱ぎ捨てる行為をさします。
脱皮は私たちでいう垢取りに近い行為で、爬虫類にとって新陳代謝の1つです。
そのため正常に脱皮ができるか否かで健康状態を測ることもできます。
なぜ脱皮不全になるのか?
脱皮不全とは、一度に皮が脱ぎきれず、バリバリと破片のように脱いでいってしまったり、あるいは古い皮が体に残ってしまう状況をいいます。
脱皮不全の原因
- ストレス
- 湿度不足
- 栄養不良
- 寄生虫による感染
- 病気
脱皮不全の危険性
残った皮や鱗の部分がただれたり、感染したりして炎症を起こす危険性があります。
また残った皮の締めつけにより血行阻害を起こし、尾の先などが壊死する可能性もあります。
脱皮不全を防ぐには
脱皮不全の原因により対処がかわります。
栄養不良→適切な餌・頻度を与える
寄生虫による感染、病気→獣医に診てもらう
上記の場合はこのような対処となりますが、ここでは脱皮不全の原因として多い2つ
- ストレス
- 飼湿度不足
について深掘りしていきます。
ボールパイソン(ブラックヘッド×アルビノ)
ストレスを軽くする環境作り
ストレスを軽減させるには、爬虫類が落ち着ける環境を用意することが重要です。
ヘビは臆病で神経質な種類が多く、脱皮不全になりやすい種類もそういった性格が多いです。
隠れ家
シェルター、流木、造花などを使い隠れ家を作る必要があります。
人目を避ける場所を用意することにより爬虫類は落ち着くことができ、ストレスを軽くすることができます。
ケージ
ケージが狭すぎたり、広すぎたりする場合もストレスの原因になりますので、爬虫類の種類・大きさに合ったケージで飼育しましょう。
ラフグリーンスネーク
湿度を保つ飼育方法
※ここでは多くのヘビが好むとされる湿度60%以上を保つための飼育環境をお伝えします。
床材
床材をピートモス+ヤシガラにすることで、かなり湿度を保持できます。
ピートモスを下に敷き、上にヤシガラを敷くことで表面積を大きくし、湿度を保ちやすくします。
霧吹き
できるだけ毎日霧吹きしましょう。
霧吹きは全体的にではなく、ケージの約半分が濡れるようにすることで湿度勾配をつくりヘビが好む環境が作りやすくなります。
ウェットシェルター
ウェットシェルターは上に水入れがついたシェルターで、水を入れることでシェルター内の湿度を上げる効果があります。
水入れ
全身がつかれるような大きな水入れがあると湿度保持+水分補給できます。
水がフンなどで汚れると、嫌がって逆に水に入らず水分不足になることもあるので、水は常に清潔にしておきましょう。
蒸気式加湿器
冬は特に暖房をつけることもあり湿度が下がりやすくなります。上記の方法でも湿度が60%を下回るようでしたら蒸気式加湿器を使いましょう。
脱皮不全になってしまったら
脱皮不全になった際はそのまま放置せず、温浴(30度くらい)を10〜15分程させると、その後自ら脱皮を再開することがあります。
それでも脱皮をしないようでしたら、温浴させながら手で皮をはがしてあげましょう。
無理矢理やると怪我する可能性があるので、ゆっくり優しくはがしてください。
革手袋でやるとはがしやすいですし、咬まれる心配もありません。
羊皮の手袋の方が皮が柔らかいので、爬虫類にも優しいかと思います。
脱皮前に水に浸かるアマゾンツリーボア
まとめ
以上が脱皮不全の改善方法です。
今回は脱皮不全の理由として多いストレスと湿度問題についての対処法をまとめました。
ここではヘビの脱皮不全として取り上げておりますが、ここで述べている飼育環境は他の爬虫類(トカゲ、ヤモリ…)にも効果がありますので参考にしていただけると幸いです。
脱皮不全は爬虫類にとって多くの危険性があるので、未然に防ぎ健康に暮らせる環境を作ってあげましょう!
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