アマゾンツリーボアの繁殖に向けて
2024.10.4に私が飼育していたペアのアマゾンツリーボアが繁殖に成功しました。
ヘビの繁殖には温度調整や湿度調整が難しいことが多いようですが、私は特別なことはせず同じケージに雄雌入れて飼っていただけです。
もしかしたらアマゾンツリーボアに関しては、雌雄を同居させて飼育を続けるだけで繁殖が可能なのかもしれません。
またアマゾンツリーボアは遺伝経路がはっきり解明されておらず、どんな色や柄の子ヘビが産まれてくるかもわっておりません。
加えて日本ではあまり繁殖が盛んに行われている種ではなく、ほとんどがワイルド個体で繁殖個体はかなりレアでロマンを感じます。
ですからヘビの繁殖に興味がある方や、興味はあるが難しそうと思い中々踏み出せない方には是非挑戦してみてはいかがでしょうか?
この記事でわかること
アマゾンツリーボアの特徴
繁殖に向けての親ヘビの飼育環境
(この記事には広告を含みます。)
幼蛇(ハロウィン)
アマゾンツリーボアとは?
生息地
南米のアマゾン川流域(ブラジル、ガイアナ、ベネズエラ、コロンビア、エクアドル…)
年中高温多湿で平均気温は23〜28度
形態
[体長]1.5〜2m
[主なモルフ]
- ガーデン…黒〜褐色の不規則模様
- ハロウィン…ガーデンの一種で一部が赤色をしている
- カラード…赤、オレンジ、黄色
- タイガー…ストライプ柄
- リューシスティック…白色
生態
気性が荒くよく噛みついています。
牙も長いので噛まれるとかなり痛いです。
しかし動きは早くなく、慣れると簡単に避けられますが、触れる際は革手袋を付けるのが安全です。
意外にも持ってしまえば、そんなに噛んでこなかったりもしますので、オススメはしませんがハンドリングも難しくありません。
繁殖形態
卵胎生…母ヘビの体内で孵化し子ヘビがそのまま出てきます。
目安ですがメスは生後3年、オスは生後2~3歳で繁殖可能となります。
サイズはどちらも1.5m近くなるかと思います。
- 交尾時期…3-5月
- 妊娠期間…約6ヶ月
- 産卵時期…8-12月
- 出産数…2-12匹
親ヘビ(黒が雄、オレンジが雌)
繁殖に向けての親ヘビ(雄雌のアマゾンツリーボア)の飼育環境
ヘビは基本的には多頭飼いは向かないとされていますが、アマゾンツリーボアはさほど難しくありません。
有名爬虫類ショップの店員さんから伺ってのですが、アマゾンツリーボアは雌雄を同居させることで繁殖が成功しやすくなるそうです。
実際私もそうしました。
そのため、ここでは雌雄を同居させる前提での飼育環境をまとめております。
また親ヘビとなる個体なので、1匹の全長は約1.5mを想定しております。
必要なもの
ケージ
- 横幅60〜90cm
- 高さ45cm以上
アマゾンツリーボアは樹上性ですのでなるべく高さを用意するのは勿論ですが、運動不足にならないようなるべく横幅も広めにしましょう。
水入れ
全身水につかるのが好きなので大きめの水入れを用意しましょう。
床材
多湿な環境を好みますので下にピートモス、上にヤシガラを敷きましょう。
登り木
アマゾンツリーボアは樹上性なので、高い所の方が落ち着きます。
そのため大きめの登り木を用意しましょう。
日々のメンテナンス
餌
成蛇なので1〜2週間に冷凍のアダルトマウスLかヒヨコを1匹与えれば十分です。
ヒヨコの方が食い付きが良いです。
アマゾンツリーボアは代謝が良いヘビではないので餌の頻度は少ない方が無難です。
1,2ヶ月食べなくても余裕なので、片方のヘビが脱皮前の時は2匹とも絶食させても問題ありません。
水換え
3日に1度の交換でも大丈夫かと思いますが、なるべく毎日交換してあげましょう。
水はミネラルウォーターより水道水の方が腐りにくいためおすすめです。
温度管理
[ホットスポット]30〜32度
[その他]24〜28度
高温を好みますのでヒーターは重要です。
ケージ全体を温めるのではなく一部分のみ温められるように設置しましょう。
サーモスタットを用意すれば、ヒーターによる温度上がりすぎを防げます。
湿度管理
湿度は60%以上
多湿を好み、脱皮不全になることも多いのでなるべく每日霧吹きし、湿度を保ちましょう。
掃除
排泄した箇所をスプーン等で取り除けば大丈夫です。
床材の交換は一月に1回くらいで大丈夫です。
トビムシをケージ内に放てば、トビムシが排泄物を分解してくれるため、1年程そのままでも問題ないと言われております。
注意点
多頭飼いですので、餌やりのタイミングだけ注意です。
ヘビは匂いや温度で餌を探すことが多いので、餌と間違えて片方のヘビを噛んでしまうことがあります。
そのため必ず餌やりは2匹同じタイミングで行いましょう。
産まれた幼蛇
アマゾンツリーボアはどこで販売してるのか?
値段(目安)
[ガーデン]2〜4万円
[カラード]5〜10万円
入手場所
大きい爬虫類ショップだとよく販売されています。
爬虫類イベントだと何匹か見ることができると思いますので、お好みの個体を見つけられるかと思います。
ワイルド個体がほとんどで餌食いや状態が悪い可能性がありますので、購入の際は店員さんに沢山質問し不安要素を取り除いてからお迎えしましょう。
ですがワイルド個体が多いので、アダルト個体が見つかりやすく、繁殖に向けての準備がしやすいのもメリットです。
まとめ
以上がアマゾンツリーボアの繁殖についてです。
実際のところペアを同居させて飼育させていただけで特別なことはしておりません。
妊娠期間でさへも特に何もせず、いつも通り飼育しておりました。
共食いをすることもないので、注意点も給餌の時だけかと思います。
卵胎生のため、卵の面倒を見る必要もないのでヘビの繁殖としてはかなりハードルが低いかと思います。
強いて言うなら、性格が荒いので頻繁に噛み付いてくるところですかね…
しかもペアなのでダブルで笑
ですが革手袋やピンセットをちゃんと使っていればほぼほぼ噛まれることはありません。
むしろヘビ本来の良さを体感できる最高のヘビかと私は思っております。
是非ペアで飼育し、日本でアマゾンツリーボアの繁殖個体が増えると最高ですが、単体で飼っても十分楽しめるヘビですので、皆さんもこのヘビの魅力を知っていただけると嬉しいです。
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